投書:あきら(『かけはし』2021年2月15日号・第2653号)

SM

『「大安・友引」にこだわりますか? 「六曜」迷信と部落差別』(狩野俊猷(かの・しゅんゆう)・羽江忠彦(はねえ・ただひこ)著、福岡部落史研究会、ブックレット 菜の花2)を読んだ(注)。特に印象に残ったところを2つ引用する。

――「お前の子供なんぞ、うちの娘の腹に宿したなんて、とんでもないことだ。お前なんぞは死んでいいんだ」と、現職の警察官の父からののしられ、差別され、最後にもみじ谷という所で、新緑さわやかな五月に、自殺していったある人の話を知りましたとき、四国のその方のお墓にまいって、関係者の方に頼んで、最初は拒否されたんですけど、遺書を見せてくださいって、遺書を読ませていただきました。なんか私の胸がふるえる思いがしました。このことを鞍手郡若宮町の資料で読んだだけでは、一人の青年が死んだという知識は持ったかも知れませんけど、僕はあの人の自殺からあまり学ばなかったと思います。あの人のお墓に行って、この土のなかに、あの方の骨が埋めてあるんだ、差別され自分の子供を殺された青年が、ここに、土のなかにいるんだと土をさわりましたら胸がつまりました。この件をもう少し言いますと、その人の彼女のおなかのなかに子供さんが宿っていたのです。しかし、むりやり彼女の父から病院に連れて行かれ、その子供は堕胎され、殺されていくわけです。彼女の父から病院に連れて行かれ、その子供は堕胎され、殺されていくわけです。彼女の父親から嫌われ、差別された四国の青年は、その亡くなった子供に「あきら」という名前までつけて、「あきらが天国へ行った。天国で母にも抱いてもらえず、父にも見捨てられて、一人で泣いているような気がしてしようがない。自分は差別されて自殺するということは負けたということになるけど、自分はあの子が泣きよるように思えてしようがないから、急いで天国に行きます」という手紙を書き残して亡くなった。その手紙を見ました。雨の降るお墓でした。涙が出て止まりませんでした(17ページ~18ページ)。

――宗教者は激しく自分と自分の属している宗派教団を点検せんと、いけないのではないでしょうか。部落差別もさることながら、女性差別の本源だと言われておりますことは、いかがお答えできますでしょうか。たとえば寺もそうですけど、神社庁が考えます女性不浄という考え、これにわれわれが、どうかかわっていったらいいでしょうか。不浄……そんなことが博多山笠なんかで具体的にあらわれています。あなたのお寺や、お宮の世話人会、あるいは総代会でしょうか。そのなかに女性は入っているでしょうか、入っていないでしょうか。形でいうと、そういうところが割合い見えやすいんですけど。女性を大事にしているでしょうが、それは形としてどういう具合にあらわれていますか、という形でおさえていきますとよくわかります。たとえば、真宗お東のなかで本部に登録して住職になる手続きは、男性は何歳から女性は何歳からできるんですか。何で男女に年齢差があるんですか。こんないろんなところを見ていこうじゃないですか。氏子総代は女性は駄目なのですかとか、とにかく女性のことも考えていただきたい(20ページ~21ページ)。

――人生は美しい。未来の世代をして、人生からすべての悪と抑圧と暴力を一掃させ、心ゆくまで人生を享受せしめよ(1940年2月27日、トロツキー/訳 西島栄)。

あらゆる差別に反対しよう。

(注)『「大安・友引」にこだわりますか? 「六曜」迷信と部落差別』(狩野俊猷(かの・しゅんゆう)・羽江忠彦(はねえ・ただひこ)著、福岡部落史研究会、ブックレット 菜の花2)は公益社団法人福岡県人権研究所に頼むとコピーをもらうことが出来る(有料)。

(2021年2月8日)